利益共有トークン（PST)

SmartWeaveは、新しいツールである利益共有トークン (PST)を使って、開発者がアプリを収益化し、実際の利用から利益を得ることを可能にします。PST は、ウェブサービスを構築するファウンダー（設立者）のインセンティブを高めるための根本的に新しい方法です。

アプリ開発者がユーザーの注目やデータへのアクセスを売らなければならないのではなく、PSTにより、アプリが使用されている間、開発者は「マイクロ配当」のストリームを得ることができます。また、マイクロ配当ようなチップは、利益共有トークンの所有権に応じて、複数の人に比例して分配できます。アプリケーションが構築されローンチされると、アプリ開発者は将来の利益の一部を獲得するトークンを販売することができます。

Webのインセンティブ

Web2.0の世界とは異なり、パーマウェブでは、アプリの使用量の増加に伴う経済的な負担は開発者の負担ではありません。この新しいモデルにより、開発者は初めてオープンソースの開発モデルに基づいてウェブサービスを構築することが可能になりました。

Arweaveが開始されて以来、約250のアプリがネットワーク上に構築され、パーマウェブを中心に何千人もの開発者のコミュニティが形成されてきました。これらのコミュニティは、相互運用可能でオープンなウェブサービスのエコシステムを構築しています。SmartWeaveの立ち上げにより、このエコシステムのインセンティブに新たな要素を追加することになりました。

PSTとは何ですか？

PSTは次のように機能します：開発者がアプリケーションを構築するときに、ユーザーがアプリと対話してArweaveネットワーク上のトランザクションを生成する方法でアプリと対話するたびに、小さなチップ（ArweaveのPSTトークンの形で）を送信するメカニズムを追加することができます。PSTを使用するSmartBlogという架空のパーマウェブのブログアプリを想像してみましょう。SmartBlogはハッカソンで2人の開発者が共同で作成したもので、SmartBlogのユーザーが作成したチップを2人が平等に共有したいと考えています。彼らのSmartWeave PSTは、各開発者が関係するトークンの50%を保有するように設定されているため、各開発者はチップの半分を受け取ることになります。これはシンプルなシステムですが、その効果は絶大です。一度起動したパーマウェブアプリは、永久的なものであり、変更することはできません。つまり、アプリのPSTの所有者は、今後いつでもユーザーがアプリとやりとりするたびに、それ以上のメンテナンスやコスト、管理費をかけずに、小さなチップ（利益）が送られてくることが保証されているのです。

オープンソースのウェブアプリの開発者のためにPSTをデプロイすることの効果は2つあります。第一に、開発者がそれ以上のアクションを実行することなく、他の人が自分のウェブアプリケーションを使用するのに十分な価値があると思って使用している限り、開発者は仕事の報酬を受け取ることができます。第二に、開発者は彼らのパーマウェブアプリによって生成された将来のチップを収益化することができます。つまり、時間をかけてゆっくりと利益が発生するのを待つ代わりに、開発者はローンチ後いつでもアプリのPSTの一部を販売することができます。これにより、開発者は開発努力から得られる金銭的利益を早期収益化することができ、同時に、ユーザーが既に稼働している、機能的で分散化されたアプリケーションの利益にアクセスする機会を提供することができます。チップは、利益共有トークンの所有権に応じて、複数の人に比例して分配できますので人気のあるサービスでは購入者が増えて値上がりも期待できます。PSTはETHにたいするERC20トークンのような位置づけになるのでARトークンは次第にPSTの基軸にもなるでしょう。

PSTの購入はまた、従来のエクイティ（返済期限の定めのない資金のこと）やトークンベースの投資モデルにはないユニークで魅力的な特性を提供します。一度起動したパーマウェブアプリは変更できないため、PSTの購入者は自分のお金で何を得ているのかを正確に知ることができます。これにより、アプリの元の開発者が望ましい機能を削除または変更したり、アプリがオフラインになる可能性があったり、新しいバグが発生したりするリスクがなくなります。Permawebアプリでは、あなたが見たものはあなたが永遠に得るものです。株式投資とは対照的に、これらのPST投資はゼロトラストです。つまり、すでに稼働しているパーマウェブアプリのPSTの購入者は、アプリの背後にあるチームを信頼する必要はありません。なぜなら、投資家は、本当に不変のビジネスモデルとマイクロ配当発行メカニズムによる利益を配分するトークンを購入しているからです。

実世界の例を考えてみましょう。Weveです。Weveは、最近のハッカソンでAnish Agnihotri氏によって構築されたWeavemailクライアントです。Anish氏のエレガントなWeavemailクライアントは、現在、永続的に収益を生み出すアプリとなっています。Weveは、以前のWeavemailプロトコルのクライアントを大幅に改善した、Arweaveエコシステムの貴重なアプリケーションです。人々がWeveの有用性を見つけ、使用を続ける限り、その開発者はチップを獲得することができます。Anish氏は現在、アプリのPSTの一部を販売することで、いつでも彼のオープンソースウェブアプリケーションの将来の利益を収益化する力を持っています。PSTの購入者は、後で購入したPSTを他の人に販売することもできます。これは本質的に不変のビジネスモデルのための流動的な市場を生むでしょう。

規制

ほとんどの国におけるPSTの規制上の位置を決定することは簡単なことではありません。つまり、PSTを発行、売却、購入する前に法的なアドバイスを受ける必要があります。このようなトークンが存在する規制環境が時間の経過とともに明らかになるでしょう。しかし、現時点では、関連する規制を遵守するために、慎重に行動し、努力することが重要です。

結論

従来のウェブのエコシステムにおけるインセンティブは、根本的な見直しの時期を迎えています。今後、PSTとオープンソースウェブが新しいインセンティブシステムの主要な構成要素を形成する可能性が高いでしょう。開発者がユーザーエクスペリエンスの最適化へのコミットメントを犠牲にすることなく、創作物を収益化することを可能にします。最初のPSTは、Weveアプリに関連してすでに稼働しています。

Web 1.0とWeb 2.0の世界のインセンティブは、プライバシーとユーザーエクスペリエンスを犠牲にして、ユーザーの行動、アテンション（注意）、データを商品化するサービスを構築することを私たちに押し付けました。Web 3.0では、このような誤ったインセンティブを修正し、ユーザー体験を第一に考えたサービスのネットワークを構築するチャンスがありますが、同時に開発者やインフラストラクチャプロバイダにも公平な報酬を与えることができます。